新居浜のものづくり企業79社が加盟する「新居浜機械産業協同組合」。
産業用機械や部品、製缶・板金・プラント工事など、新居浜のものづくりを支える製造業の中小企業が加盟する、高度技術やノウハウを持つ技術集団組織です。
昨年設立から30周年を迎え、記念事業としてマイントピア別子を走る観光列車「別子1号」のリニューアルプロジェクトを手掛け、今年3月1日(金)からいよいよ新しい列車が走り出します。
走行開始を前に、活気溢れる列車製作の現場を取材しました。
新居浜市阿島にある「ものづくり産業振興センター」の内部。
取材時には台車に車体を取り付ける作業が行われていました。
若い世代がものづくりに夢を持てるよう願いを込めて
組合内で30周年記念事業について話しが出始めたのは2014年頃。
青年部が主導となり検討が始まりました。
「メダル製造機」「からくり時計」「すべり台」など、様々な案が提示される中で、『機関車』が採用されました。
その理由には3つありました。
「地域の将来を担う若者や子供達に、製造業に夢を持つきっかけを作りたかった」為。
多種多様な業種のものづくり企業が集積する新居浜市。
しかし少子高齢化等の進展により多くの技術者が退職し、蓄積された技術の伝承や人材確保は重要な課題となっていました。
就職希望の学生にものづくりに興味を持ってもらう為にインターンシップや見学会等を積み重ねる中で、「もっと興味が湧くような施策は何か?」を考えた結果が『機関車』でした。
「ものづくりの街、新居浜ならではといえるような事業をしたかった」為。
約300年に渡る別子銅山操業の歴史の中で、必ず語られる「住友別子鉱山鉄道」。
その鉄道を走る「別子1号」を、別子銅山が育んできた中小企業の高度なものづくり技術を生かして再現する…。
オープン以来運行され、老朽化していた観光列車を抱えるマイントピア別子側からも「MADE IN 新居浜にしたい」という要望があり、組合・マイントピア両者の意見が合致しました。
まさに新居浜だからこそ実現ができたプロジェクトでした。
「新居浜の中小企業同士が共同作業でき、将来の協業にもつながる」為。
新居浜のものづくり企業は企業城下町の気質が強く、長年住友各社に依存した経営が行われてきました。
しかし、材料費の高騰やグローバル化で激変する経済環境の中で、新居浜のものづくり企業が生き残るためには、顧客の多様化と他の企業と協業して、新しい可能性を提案し続ける事ができる環境づくりが重要でした。
その結果、台車や外装・電装など、新居浜の各ものづくり企業が得意とする多くの部品・機構で構成されている「機関車」が選ばれました。
機関車の側面には井桁マーク。
井桁マークの使用にも様々なエピソードが。
282回に及ぶ打合せを経て完成
2016年7月、機関車の製作が正式決定した翌月には実行委員会のキックオフミーティングが開催。
設計チーム、会計チーム、製造チーム等、製作に向けたチーム編成が組まれ、同時に他県での製作物の視察や機関車の見学など調査を重ね、設計作業が進んでいきました。
2018年3月からは実際の製作も開始され、協同組合の垣根を越えて新居浜・西条・土居のものづくり企業、最大41社が参加。
プロジェクトが始まってからの打合せは約300回に及び、その間様々な軋轢や葛藤がある中で一つのものを完成させて行く事は、並大抵な努力ではなかったとの事。
別子1号編成中間の一般客車。
バリアフリー客車・銅婚客車もある。
リニューアル列車の概要
機械産業協同組合が今回製作した車両は全6両。
全長31.2mで乗客定員は70人となっています。
機関車以外に電気機関車、カゴ車・人車等があります。
蒸気機関車
明治26年に導入され、住友別子鉱山鉄道の上部鉄道で活躍した「別子1号」の83%大モデル。
新居浜市山根の別子銅山記念館に常設展示されている実物を忠実にスケッチしています。
実際の蒸気機関車のような煙が出る発煙装置が搭載されています。
電気機関車
昭和25年に下部鉄道に導入された電気機関車を再現。
こちらも別子銅山記念館に実物が常設展示されています。
子供用の模擬操作机を設置し、オープンデッキ式に。
カゴ車・人車
別子銅山の坑内で活躍していた一般用の「カゴ車」と坑夫移動用の「人車」。
当時の狭い車内を体感する事ができます。
バリアフリー客車
車椅子でそのまま乗車が可能に。
銅婚客車
銅婚の里にふさわしい特別な客車。
その他に、一般客車があります。
内部はリレー制御
3月1日(金) オープニングセレミニー開催!
2019年3月1日(金) 13:30~オープニングセレモニーがマイントピア別子観光鉄道の端出場駅側で開催されます!
新居浜のものづくり企業の技術と底力を結集させた別子1号が、今未来へ向けて走り出します。