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おうちで出来るかんたんリハビリ~腰痛編(1)~

現役理学療法士によるリハビリテーションの考え方を取り入れた「自宅でできるちょっとした健康トレーニング」をご紹介。今回は「腰痛」の原因について解説します!


年齢に関係なく、肩こりとともに不快な症状として表れやすい『腰痛』。

在宅ワーク・リモートワークの増加とともに、若い人にも悩みを抱えている方が増えています。


腰痛と言っても、その原因は人それぞれで、身体の歪みにはタイプがあります。まずは、それを知った上で、ご自身に合ったリハビリを行っていきましょう。


今回は、腰痛の主な原因とそのタイプについて解説します。

前回の記事「おうちで出来るかんたんリハビリ~肩こり編」はこちら

腰痛とは何か?

腰痛とは、病気の名前ではなく、腰部の“痛み”や“はり”などの不快感がある症状の総称です。大まかに「特異的腰痛」と「非特異的腰痛」の2種類に分けることができます。

特異的腰痛


原因が特定できる腰痛のことです。

以下のような症状・状態などから引き起こされることがあります。


・腰椎圧迫骨折
・脊柱菅狭窄症
・腰椎椎間板ヘルニア

非特異的腰痛


原因が特定できない腰痛のことです。

いわゆる、ぎっくり腰(急性腰痛)や慢性の腰痛はこちらに当たります。

腰痛の重症度をチェックしよう

腰痛の症状を感じている方は、まずは以下のチェック項目をご覧ください。


□ 安静にしていても痛む

□ お尻や脚まで痛みや痺れがある

□ 長く歩くと痛みや痺れがある

□ 転倒など外傷後の痛みで、日常生活に支障がある


これらに該当する場合は、特異的腰痛の可能性があります。

医療機関を受診してください。

□ 特定の姿勢で痛みがある

□ 動作時に腰だけ痛む

□ 楽な姿勢がある

 

これらに該当する場合は、今回と次回の記事でお伝えする「姿勢・動作の改善」や「運動療法」を行うことで、痛みの緩和が期待できます。

骨盤の歪みについて

腰痛の原因の一つは“骨盤の歪み”です。

骨盤の歪みには、大きく3つのタイプがあります。以下の図をご覧ください。

骨盤前傾タイプの図

骨盤前傾タイプ

骨盤が前に傾いている状態。

骨盤後傾タイプの図

骨盤後傾タイプ

骨盤が後ろに傾いている状態。

骨盤の左右が歪んでいるタイプの図

左右の歪みタイプ

骨盤の高さに左右差がある状態。

タイプ診断(1) 前傾/後傾診断


以下の方法でチェックしてみてください。


1.頭・お尻・かかとを壁につけて立つ。

2.腰と壁の隙間に手を差し込んでみた時の状態を確認する。


◆骨盤前傾タイプ

腰と壁の隙間に「手が2枚分以上入る」場合は、骨盤がやや前に傾いています。

「反り腰」とも言います。


◆骨盤後傾タイプ

腰と壁の隙間に「手が入らない」場合は、骨盤がやや後ろに傾いています。

「猫背」の方に多いです。


◆理想的な状態

腰と壁の隙間に「手が1枚分程度入る」場合は、理想的な姿勢を保てています。

タイプ診断(2) 左右診断


以下の方法でチェックしてみてください。


1.ASIS(※)に指を置く。

2.左右の指の高さを比べてみる。


※ASISとは、上前腸骨棘(Anterior Superior Iliac Spine)のことです。
おへその少し下から外側にある骨を伝っていくと、左右ともに出っ張ったところがあると思います。その部位をASISと言い、これを目印にして左右の歪みをチェックします。

◆左右の位置に差がある場合

骨盤の左右バランスが悪くなっています。

どちらが上で、どちらが下になっているかを覚えておいてください。


◆左右の位置が対称な場合

骨盤の左右バランスは理想的な状態です。

歪みタイプ別の特徴

骨盤前傾タイプ(反り腰)

反り腰の方は、重心が前方にかかるため「前ももが緊張しやすい」状態にあり、以下のような特徴が出やすくなります。

 

・背中が反っている

・お腹が出ている

・おしりが出ている

・前ももが張っている

 

がんばりすぎている筋肉

・前もも(腸腰筋、大腿直筋)

・背中(脊柱起立筋)

 

うまく使えていない筋肉

・もも裏(ハムストリングス)

・腹筋(腹直筋)

・お尻(大殿筋)

骨盤後傾タイプ(猫背)

猫背の方は、重心が後方にかかるため「もも裏が緊張しやすい」状態にあり、以下のような特徴が出やすくなります。

 

・肩が内に入っている

・背中が丸まっている

・下腹が出ている

・おしりが下がっている

 

がんばりすぎている筋肉

・もも裏(ハムストリングス)

・お尻(大殿筋)

 

うまく使えていない筋肉

・前もも(腸腰筋、大腿直筋)

・背中(脊柱起立筋)

左右の歪みタイプ

左右の歪みは、図のようにASISの位置が左右でズレている状態です。左右のバランスを整えることが大切です。

 

ASISが上がっている

・骨盤後傾を解消するトレーニングを行う

・おしりの筋肉をほぐし、前ももを鍛える

 

ASISが下がっている

・骨盤前傾を解消するトレーニングを行う

・前ももの筋肉をほぐし、おしりを鍛える

次回は、タイプ別の「かんたんトレーニング法」をお伝えします!

理学療法士より

リハビリテーションとは、『Re(再び)+habilis(適した)+ation(~にすること)』という意味で構成された単語で、直訳では「再び適した状態にすること」となり、『本来の状態に能力回復すること』を意味します。


このように言われると堅苦しく聞こえるかもしれませんが、難しく考えずにちょっと意識して一緒に体を動かしてみませんか?


『運動』は、『運が動く』と書きます。

普段の生活にちょっとした運動をプラスすることで運を動かして、心も体も元気に過ごしてもらえたらなと思います。


1994年生まれ、新居浜市出身。

川崎医療福祉大学リハビリテーション学科卒業後、大阪府の回復期リハビリテーション病院に4年半勤務し、現在は訪問リハビリに従事。その他、高齢者を対象にした美容サービスを提供するケアビューティストとしてフリーで活動中。

※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。