まいぷれ新居浜編集部ニュース
平成の名水百選にも選ばれた湧水スポット「つづら淵」が隣接する土地の提供を受け、憩いの場として拡張整備されました。
新居浜市若水町にある市の指定史跡「つづら淵(つづらぶち)」の整備工事が、2020年2月6日に無事終了となりました。隣接していた北側の土地が所有者の方から寄付され、今までよりも広く開放的な憩いの場としてリニューアルされています。
この記事では、リニューアル後のつづら淵の様子を写真とともにお届けします。
▲つづら淵への入り口(新居浜市若水町2丁目)
つづら淵の入り口は、住宅や商店の並ぶ通りの途中にひっそりと現れます。
一瞬、見落としそうになるほどのひそやかさですが、看板の案内にしたがって通路を奥へ進んでみてください。
▲通路を抜けると少し開けた場所へ出ます
▲今回の整備事業で新たに造成された水景施設
細い通りを抜けると開けた場所に出てきます。
最初に見える祠の奥側が今回新たにつづら淵の範囲に加わった部分で、水の流れを楽しむ水景施設が整備されました。ベンチも二つほど置いてあり、ゆっくりと水の流れる様子や音を感じられる癒やしの空間になっています。
▲つづら淵の歴史を紹介する看板
つづら淵の歴史は古く、1200年以上前の奈良時代までさかのぼれるとされています。
新居浜に伝わる昔話によると、かつてこの辺り一帯は沼地であり、つづら淵はこんこんと霊水の湧き出る霊泉として人々の信仰を集めていたそうです。一説では、神竜が住まうところともされており、日照りが続く時には笹ヶ峰から持ち帰った水を捧げることで竜が雨を降らせてくれるという伝説があるほどです。
毎年1月7日には、一宮神社の宮司がつづら淵から湧き出る水を汲み上げて神様に供える神事があり、戦前・戦後の時代に一時中断された期間があるものの、現在まで続く伝統的な行事となっています。
この神事が「若水取りの神事」「若水汲み」等と呼ばれていたことが、現在のこの場所の地名「若水町」の由来になりました。
環境省が日本の清澄な水を選定する「名水百選」をご存知ですか?
これまでに昭和60年と平成20年の2回、合計二百選の名水が選定されてきましたが、つづら淵は平成時代の名水百選に愛媛県で唯一選ばれた県内有数の湧水スポットなのです。
祠の裏側に回ると濁りのない透明な水が今もこんこんと湧き出しています。
一応、飲用も可とされていますので、お立ち寄りの際は古くから地域住民に霊水として親しまれてきたお水を一口味わってみるのもご利益があっていいかも!?
※注意書きの看板と水質検査の結果表が設置されていますので、それらをよくご確認の上、飲用は自己判断のもとで行ってください。
※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。
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