四国内の観光スポット
愛媛県内子町には町並保存地区として、日本の伝統的な建物や風景が残されています。
観光スポット
愛媛県内子町
内子座
旭館
高昌寺(ねはん像)
重要文化財
町並保存地区
2022年5月のゴールデンウィーク。
日帰りで行ける愛媛県内のプチ旅行スポット「内子町」へ行ってきました。
現在、内子町を含む愛媛の南予地方では、平成30年の豪雨災害の際に全国各地から寄せられた義援金・物資・ボランティアへの感謝を示すとともに、復興に向けて着実に歩む地域の姿を見ていただくために「えひめ南予きずな博」を開催中です。
12月下旬まで、さまざまな催しや取り組みが行われているので、ぜひチェックしてください!
内子座から出発して、町並保存地区や高昌寺の涅槃(ねはん)像を回り、旭館を見て内子座に戻るルートになっています。約2.5kmの道のりで、途中で少し坂になっている場所などもあるので、休憩したり観光したりしながら大人の足でゆっくり歩いて2~3時間の行程です。
最初のスポットは内子座です。
創建は1916年(大正5年)、当時の内子町の有志たちが大正天皇の即位を祝って建てたのが始まりです。老朽化の問題から一度は取り壊されそうになりましたが、町民たちの強い要望で1980年代に復元工事が行われ、当時のままの姿を残すことができました。
100周年を目前にした2015年には「国の重要文化財」にも登録され、現在でも落語や演劇などの公演が行われています。
大人(高校生以上)400円、小中学生は200円で内部の見学入場ができます。
江戸時代頃から普及したと言われる日本の伝統的な観客席「枡席(ますせき)」を体験できるほか、舞台上に上がってもOK。写真では少し見づらいですが、舞台そのものを回転させる「回り舞台」の切れ込みも見られます。
また、舞台袖からは「奈落(ならく)」に降りる階段があり、こちらも自由に見学ができます。
2階席の様子です。
窓のガラスは大正時代当時のものだそうで、少し波打ったような昔のガラスを見ることができます。
近年大きな話題となった『鬼滅の刃』の舞台でもある大正時代を実際に感じられるスポットとして訪れてみるのも良いかも。
内子座から北上するように進んで行くと、町並保存地区に出ます。
道路こそ舗装された現代のものですが、その両脇にある建物群は江戸後期~明治の頃の面影を残したものとなっており、日本の伝統的な屋敷や町家を眺めながら歩くことができます。
町並保存地区と呼んでいますが、正式名称は「重要伝統的建造物群保存地区」で、国(文部科学大臣)から1982年に選定されました。四国では初めて選定された地区で、愛媛県では内子町と西予市の宇和町卯之町の2ヶ所のみの選定となっています。
内子町は木蝋(もくろう)の生産で栄えた時期があり、明治期に建てられた豪邸「本芳我家」や、それよりさらに古い江戸時代に建てられた町家「大村家」などを通り沿いに見学できます。
本芳我家の方は庭園までなら入ることも可能です。
こちらの通りには古い建物をそのまま活かしたカフェやレストラン、土産物屋さんなどもあり、歩き疲れたときにはちょっと休憩もできます。あまり遅い時間だと閉まっていることもあるので、午前中~16時頃までに散策するのがおすすめです。
町並保存地区の終点まで歩き、折り返し地点となる場所から少しだけ先まで進むと曹洞宗の禅寺「高昌寺(こうしょうじ)」があります。1441年創建で、室町時代から続く由緒あるお寺です。
そしてこちらのお寺には、石造りのものとしては日本最大級となる約10mの大きな涅槃像があります。
涅槃像(涅槃仏)は、お釈迦様が入滅する様子を表したものでタイの寺院では多く見られるそうです。日本でも有名な涅槃像はいくつかありますが、愛媛県内でこれほど大きく立派な像を見られるのはここだけ! 内子に行った際はぜひ立ち寄ってみてください。
写真では見えませんが、像の周囲を歩くことができるので、お釈迦様の足(仏足)の裏にある模様も見ることができます。
こちらは同じ敷地内にある「撫で仏」です。
2mぐらいの小さいサイズの涅槃像で、自分の体の悪いところをさすると治るとされています。
ここからは折り返していきます。
町並保存地区の通りを戻っていき、地区の入口付近で東の方向に曲がる細い道を少し進むと、大正時代に建てられた映画館「旭館」を見ることができます。
旭館は、1925年(大正14年)に建てられました。当時は映画館ではなく、「活動写真館」と呼ばれていたようです。
※活動写真という言葉は、昭和10年頃からだんだんと使われなくなり、「映画」という呼称に変わっていったそうです。
1965年(昭和40年)に閉館となり、地域の娯楽施設としての役割を一度は終えましたが、その後も地元の方たちに大切にされ、2013年には国指定の登録有形文化財になりました。
残念ながら自由に中に入ることはできないため、基本的には外からの見学となりますが、昭和時代の日本の賑わいを感じさせるような古い映画ポスターが入り口部分にたくさん飾ってあります。
直近では、2019年に映画上映会が行われており、たまに中に入れるチャンスもあるようです。
旭館まで戻ってきたあとは、商店街にもなっている本町通りを道なりに歩いて内子座まで帰ることができます。最後に内子町で撮影したスナップ写真をいくつかご紹介します。
町並保存地区の坂道。
この日は祝日だったため、店先や民家に日の丸を掲げているところもありました。昔ながらののどかな日本の風景です。
高昌寺へ向かう途中にあった小さなお稲荷さん。
口に巻物をくわえているタイプのおきつね様がいました。近くにあった説明書きによると、このあたりの商店の繁栄を祈願する商売繁盛のお社のようです。
内子中学校の近くにあった公衆電話。
最近では、公衆電話自体を見かけることが少なくなりましたが、景観に配慮したデザインの電話ボックスが設置されていました。
旭館から本町通りへ戻る付近の街の一角。レトロな雰囲気の街灯が建っていました。
新居浜・西条エリアからのアクセスは、車に乗れる場合は高速道路で「内子五十崎IC」まで行くのが早いですが、今回ご紹介した場所は「JR内子駅」からもそれほど遠くないので、気分を変えて鉄道で向かってみるのも楽しいかもしれません。
松山市からのアクセス方法になりますが、以下の公式観光サイトも参考にされてください。
駅近くにレンタサイクルもあるそうです!
※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。