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四国八十八ヶ所 紀行文 ~歩き遍路96日間の旅~

第一回 歩き遍路スタート

東京にお住まいの関本拓司さんが四国八十八ヶ所の歩き遍路の体験を紀行文としてまとめられました。2016年4月15日に一番札所の霊山寺を出発し、同年7月20日の結願までの96日間の様々な出逢い、また率直な想いを書き綴っています。全8回でお届けします。

歩き遍路はもう3ヶ月前から始まっていた。

2016年4月11日、東京駅をスタートして新神戸駅へ向かった。神戸で友人と会い、徳島へは高速バスで行った。遍路グッズを整えて、気持ちを切り替え、4月15日に1番札所霊山寺から歩き始めた。

1.コースの下調べ

この日まで、遍路へ出る準備をしてきた。まずは、「へんろみち保存協力会」編の地図と解説本を八重洲ブックセンターで買い求めた。(この本屋以外は、現地か通販でしか買えない。)

歩き遍路する人への解説を丁寧にしてくれた本で、準備する上で大変助かった。まずは、コースの下調べで、1日、いくつの寺を参拝し、何キロを何時間で歩き、何処に泊まるかのプランを作るのだ。

大雑把に、宿は朝8:00スタート、宿には15:00着、寺での滞在時間は1時間とすると、1日歩く時間が決まり、自ずと1日歩ける距離が決まった。歩くスピードは、へんろ道保存協力会の指南書通りに、何番札所~次の札所までは何キロで、何時間かかるという情報から算出した。大体1日歩く距離は13キロ前後としたが、宿がそこにない場合は、その先まで、歩かざるをえず20キロを超える日もあった。もともとゆっくりとしたペースで歩くことを考えていたので、全日程を110日とした。

2.遍路宿の選定

次に、どの宿を選ぶかだが、遍路経験者の口コミ情報、インターネットから選んだ。善根宿、宿坊、民宿、ペンション、旅館、国民宿舎、ビジネスホテル、リゾートホテルといろいろあったが、取り混ぜて利用することにした。やはり、インターネットに載せている宿は、事前の情報を把握でき選び易かった。また、リゾートホテルでも、遍路プランがあり、比較的リーズナブルな価格のホテルもあった。そして、実際に予約してみると、廃業していたり、1ヶ月前からでないと予約を受け付けてもらえなかったり、前の宿から近すぎるから先のホテルにしたらと受け付けてもらえなかったりと苦労した。事前に日程表を関係者に配布する都合があり、遍路前に事前予約をしておきたかった。一軒一軒電話すると、評判のよい宿は、女将が元気で優しい応対をしてくれた。インターネットの旅行サイトで予約することも数件あったが、宿の主人の声を聴くとその宿の様子を感じられ良かったが、100軒を超える宿の予約は根気がいるものだった。

3.日程表作り 

そして、パソコンで日程表作りに取り掛かり、再度無理のない日程かチェックし、1日の予定を分刻みで作り、寺の本尊名、特徴等を加えた。これは、遍路の途中に、22名の友人、知人と対面したり、宿泊させて頂くため、自身の行動スケジュールを明確にしておく必要があった。また、宿の住所、電話番号も入れ、何か連絡し合う時、連絡できるようにした。この日程表作りに約3ヶ月問を費やした。

4.歩き遍路の動機

歩き遍路する動機は、遍路経験者の友人からの勧めであった。四国には仕事で、6ヶ月住んでいたこともあり、四国88ヶ所霊場巡りには興味があったが、歩き遍路するか、車で回るかはまだ決めていなかった。しかし、自分への試練を与えられた気がし、体調もよく、時間もあったので、歩き遍路へ挑戦したい気持ちになった。

四国の霊場巡りは、車で数力所参拝していたが、それぞれのお寺は由緒があり、立派だと思っていた。遍路経験者の友人に誘われ中国33ヶ所観音巡りに同行したが、今迄の旅と違い、寺に参拝すると爽やかな緊張感があり、心地良かった。車での参拝だったが、結構山の中に寺はあり、歩くと難儀だなとも思えた。ただ、時間を掛ければ歩けるような気がした。

ピースボートでで世界一周には106日掛かるが、歩き遍路も四国一周に同期間掛けることにした。人間の力は非力だが、本来の人間に戻れる気がした。ひたすら歩くことで、四国の山、川、海、林、田んぼに溶け込み、生命力が蘇るように思えた。

一人で歩くことで、自分に絶えず向き合え、もう一人の自分の声を聴けるような気もした。70歳からの生き方を模索できたらと思うようになった。実際に歩き遍路した人は、どんな気持ちになったのだろうか。自分の周りには4人の歩き遍路経験者がいることが分かり、体験話を伺った。

5.歩き遍路体験者との面談

歩き遍路を終え、また歩き遍路にでたいという、いわゆる四国病になってしまったとか。歩き遍路が周りの人の優しさに包まれて、心地が良かったようだ。また、札所巡りをスタンプラリー感覚で旅を楽しんだ人、ひたすら歩きいろいろな出会いを楽しんだ人等、人それぞれの思いを伺えた。

6.遍路本の事前読書

辰濃和男著、岩波新書の「四国遍路」や単行本「歩き遍路」(土を踏み風に祈る、ただそれだけでい

い。)を読み、歩き遍路でのものの見方を学んだ。そして、空海の人となりや教えを学習する必要性も感じ、高村薫著「空海」を読んだ。また、「般若心経」の意味を把握するために、ひろさちや著の解説本を読んだ。

お遍路の作法は、クラブツーリズムやJR四国の遍路ツアー説明会に参加して教えて頂いた。教本や地図も頂けた。へんろみち保存協力会の解説編「お遍路の作法」を参考にした。

7.トレーニングの実施

最後に体調管理は大事と思い、10~20キロのウォーキングを実際にやってみて、豆の出来具合、膝の

調子、疲れ度合いを把握した。また、遍路ころがしに備え、筑波山登山をした。日々ジムに通い、ヨガ、マシン、自転車漕ぎ、ホットヨガ、水泳を四時間程度やり、体調の調整をした。朝晩の体操のメニューをそれぞれ作っておいた。

8.装備品の準備

装備は、へんろみち保存協力会解説編でアドバイスされた5キロを目指したが、再考に再考を重ね、必要と思えるものが6.25キロ、頭陀袋が1.8キロになってしまった。雨具は、ポンチョ、ゴアテックスのズボン、防水スパッツ、アウトドライの運動靴を用意した。